地域と循環する農園であるために
山の落ち葉や竹を堆肥にし、荒れた田んぼを再生しながら土を育てる。それが江藤農園の農業の原点です。作物をつくるだけでなく、土や風景、地域とのつながりを未来へつないでいくこと。そのための取り組みと想いをご紹介します。
土づくりからこだわっています
おいしい野菜を作るために、まず大切にしているのが土づくりです。
厳選した有機肥料、落ち葉、竹堆肥、もみ殻燻炭、収穫後に出る野菜の残さ、自家用精米機で出る米ぬかなどを独自の比率でブレンドし、栄養たっぷりの土を作っています。
土に手間暇をかけることで、野菜の旨味がぎゅっと詰まった味わい深い作物が育ちます。
また、土づくりは生ごみを減らすことにもつながります。野菜の食べられない葉なども無駄にせず、うまく循環させながら毎年新しい土を作り続けています。
落ち葉
湯布院は山に囲まれた地域のため、少し山に入ればたくさんの落ち葉があります。お茶セットを持ってピクニック気分で集めに行くこともありますが、野菜を納品している旅館の庭にある落ち葉を袋詰めの状態でいただくこともあります。集めた落ち葉はしばらく寝かせて完熟させてから畑にまきます。また、雑草防止のためにマルチの代わりとして利用することもあります。秋になると、いろいろな旅館から軽トラック何杯分もの落ち葉が集まり、畑の大切な資源として活躍しています。
竹堆肥
冬になると、湯布院竹部会の皆さんと一緒に竹堆肥を作ります。
竹堆肥は窒素分が少ないため堆肥というより土壌改良材ですが、畑に入れると土がふかふかになり、野菜の甘みも増します。江藤農園ではこの竹堆肥を積極的に取り入れています。田舎には手入れが行き届かなくなった竹山も多く、美化活動と資源の有効活用の意味も込めて、冬の間に約10日かけて作業を行います。
1.竹の切り出し
まずは山に入り、竹の切り出しから始めます。70歳を超えた先輩方が足場の悪い斜面でもどんどん竹を切っていくので、自分は45度ほどの斜面をひたすら運びます。田舎ならではの面白さは、同じ苗字の人が多いこと。竹ちゃん、ぶんちゃん、めぐちゃんなど、年上の方を“ちゃん付け”で呼びながら作業しています。すべて伐採するのではなく、数年後のことも考えて竹林がきれいに広がるよう間引きながら作業を進めます。
2.粉砕
切り出した竹を粉砕機の場所まで運び、パウダー状に粉砕します。この作業は84歳の正義さんが担当。機械に入りやすいよう、竹を地面に打ち付けて割る作業はいいストレス発散にもなります。1年分ほどの量がたまるまで、この作業を繰り返します。大変な作業ですが、お菓子を食べながらおしゃべりする休憩時間も楽しみのひとつです。
3.発酵
粉砕した竹に水をかけながら、定期的に切り返して発酵を促します。半年ほど経ったら米ぬかを加えてさらに発酵させていきます。最初は黄色っぽかった竹が、だんだんとこげ茶色へと変化していきます。温度は60度ほどまで上がることもあり、酵素風呂ができそうなほど熱くなります。
4.仕上げ
最後は橋本さんが水分量を調整し、畑に撒きやすい状態に仕上げていきます。発酵が終わった後はさらに半年ほど寝かせてから使用します。この頃になると、カブトムシの幼虫がたくさん入り込み、竹堆肥を食べてペレット状の糞を作ります。ミミズ堆肥のようになり、これもまた畑で良い働きをしてくれているようです。
5.完成
こうして、時間と手間をかけて竹堆肥が完成します。
今年も、いい状態の竹堆肥ができあがりました。
地域との関わり
湯布院マルシェでの販売
湯布院町内で開催されている「ゆふいんマルシェ」にも出店し、採れたての野菜やお米を直接販売しています。普段は旅館や飲食店への出荷が中心ですが、マルシェではお客様と直接お話しできる貴重な機会になります。野菜の食べ方やおすすめの調理方法をお伝えしたり、実際に食べた感想を聞いたりすることで、農家としての励みにもなっています。畑で育てたものを顔の見える形で届けることを大切にしながら、地域の皆さんや観光で訪れた方にも気軽に楽しんでいただける場として参加しています。






